2021年5月30日日曜日

与党政治家はオリンピックをやりたいはず

オリンピックの中止論が盛んですが、菅総理以下の政権の中枢にいる政治家の皆さんはオリンピックをやりたいと考えているはずです。というか、与党政治家にとっては「オリンピック実施」の一択だと思っています。

その理由は「今回のオリンピックは日本人選手にとって相当に有利だから」です。

日本人選手にとっては、勝手知ったるホームグラウンドで、日本の夏の暑さにも十分に体を慣らしてから試合に臨むことができますが、外国人選手は感染対策をしながら体を日本の暑さに慣らさなければならないので、同じ条件で競うことはほとんど無理です。

このような環境でオリンピックをやることが「公平」なのかという問題はあると思いますが、「公平」よりも上位に「安全」があります。選手にとっては「公平性が担保できないから中止する」となるとこれまでのトレーニングが無駄になるので、「公平性が担保できなくても実施してほしい」となると思っているはずです。

問題が起こるとすれば、「日本人が勝ちすぎて外国から不満がでること」ぐらいだと思っています。

日本のマスコミは、今はオリンピックの中止論で盛り上げようとしていますが、実際にオリンピックが始まって、日本人のメダルラッシュが起これば、オリンピックの中止論なんかすっかり忘れてメダリストの称賛に切り替わると思っています。

新型コロナの感染については、それこそ「外国人選手に十分な練習をさせないくらい」徹底的にやることになると思われるので、大した問題にはならないと思っています。

そして9月頃には、「こんなに日本人が活躍して、やっぱりオリンピックはやってよかった」という雰囲気になり、ワクチン接種の効果が出て高齢者の重症者数は減少して、携帯電話料金の値下げも実感できるようになった頃に解散総選挙を打つというのが、菅総理が考えているシナリオになるのではというのが私の予想です。


井上孝之

プロフィール
サラリーマンとしては、無責任な中止論が叫ばれる中、必死で準備している事務局の皆さんに最大級のエールを送りたい技術系サラリーマン

2021年5月27日木曜日

カーボンニュートラル/誰も地球温暖化なんか恐れていない

以前から気になっていたことに、カーボンニュートラルというお題目の前では水素のように少しの科学的知識があれば「おかしい」と思えるような主張でもまかり通ってしまうことがあります。多分、中学生くらいの科学少年・少女でも「水素でカーボンニュートラルなんかできるわけねーだろう」と思っているはずです。また、テレビ番組で水素を報道するときには、「消費時にはCO2を出さない」と強調されます。それは「生産時にはたっぷりとエネルギーを消費している」ということを報道する側も知っているからに他ならないからなのですが、「水素はいいもの」という前提で番組は進みます。

なぜ子供でもおかしいと思えることがまかり通っているかといえば、カーボンニュートラルの本当の目的は「地球温暖化の防止」ではないからだと思っています。なぜなら、本当は誰も地球温暖化なんか恐れていません。もし本当に地球温暖化を恐れているなら、別の意味で恐ろしい原子力発電とどちらが恐ろしいのかという議論も浮上しそうですが、原子力発電を話題に持ち出すことは「絶対タブー」です。

それでも、カーボンニュートラルを主張する人が現れるのは、下記のような理由だと思います。

①周りから意識高い系と認知されたい
カーボンニュートラルを主張すると周りからは「意識高い系の人」と見なしてもらえます。そういうことに価値を感じる人はそうします。テスラの車に乗るような人や「環境にいいと言われるもの」を他の人から見えるところで使っている人もこれに該当します。ちなみに、テスラの車を試乗した勝間和代氏は「こんなペコペコな車、長時間乗ってられない」とおっしゃっておられました。意識高い系に見られたい人はペコペコの車に長時間乗る苦痛に耐える必要があります。

②「俺様は正しい、お前は間違っている」と言って他人を罵倒して悦に入りたい
「俺様は正しい、お前は間違っている」と言って他人を罵倒することは最高の満足感を与えてくれます。だからネット上では炎上が絶えないのです。ポリコレに沿って他人を攻撃している限りは必ず同調者が現れるので、相手が反論してきても、大勢でフルボッコにすることができます。

③ポリコレの流れに乗ることで利益を得たい
私の職場の部署長はその時々のポリコレのネタを熱心に取り組むことで、自分の存在をアピールして出世の階段を上ってきました。「そんなことしていくら儲かるんだ」という冷ややかな声に対しては「世の中の流れに沿うことこそ会社に対する最高の利益貢献」と言って批判を封じ込めてきました。彼を見て、一個人がポリコレが正しいかどうかを考えるよりも、「ポリコレは常に正しい」として、そこからいかに自分の利益に結び付けるのかに徹した方が個人の選択としては正しいのではないかと考えるようになりました。

科学者にとっても、水素がカーボンニュートラルをもたらすかどうかを考えるよりも水素エネルギーの研究を提案することで予算を取って食い扶持を確保した方が合理的な選択です。また、企業にとっても、社有車の一部を水素自動車にしただけで「環境にやさしい会社」という評価を得られるのであれば、その費用は広告宣伝費として割り切ればいいだけです。

◆なぜ政治家は実現不可能な目標を掲げるのか
政治家が実現不可能な目標を掲げるのは、「本当は誰もその目標の実現可能性について問題にしない」ということを知っているからです。だから、小泉進次郎氏の「おぼろげながら『46』という数字が浮かんできたんです」というような人をなめているような発言が許されるのです。

目標の年度が遠い将来なのは、①その頃は自分は死んで責任を取る必要がないからであり、②無責任な大衆は大昔の約束など覚えていないからであり、③その頃には別のポリコレが流行っている可能性が高いからです。そもそも世界中の人が飽きもせずカーボンニュートラルというお題目を何十年も唱え続けると考える方が不自然です。

政治家にとって大切なことは、「壮大な目標が実現しなくても言い逃れできる逃げ道を作っておくこと」であって、「壮大な目標を実現しようとすること」ではないと思っています。

井上孝之

プロフィール
いくら出世のためとはいえ、「ポリコレは常に正しい」に徹することのできない技術系サラリーマン。


「国葬」は「反対運動マニア」の祭典となる

私は「反対運動マニア」というカテゴリーに分類すべき人たちが世の中に一定数いて、政策の実行に当たってはその行動パターンを把握して対策を講じる必要があると考えていますが、そのような観点で論じている人は見当たりません。 確かに、「これは『反対運動マニア』対策のためにやってます」と...